イワシのラワール/Lawar Sarden

イワシのラワール Kupang_East Nusa Tenggara, 2016

お酢で〆た魚料理を東インドネシアで教わりました。

これもまた、年末年始を過ごした東ヌサトゥンガラ州クパンでの話しです。

ラワールというと、一般的にはバリ料理のイメージが強いかもしれません。
バリのラワールは色々な野菜やココナッツと、刻んだ肉などを合わせて味付けをした家庭料理。
(美味しいんです。いずれまた書きますね)
対してクパンのラワールは生の魚がメインで、香草やシャロットなどをぱぱっと加えたもの。
混ぜ合わせる料理という意味では似ていますが、バリのものに加えてずっとシンプルな印象です。

特徴は、火を使わず酢を使うこと。

インドネシアでここまで酸味がはっきりした料理は初めて食べたかもしれません。
一般的に、特にジャワの人たちは、酸味があまり得意ではなく、
なので酸っぱい料理と言っても、塩気や甘味に酸味を足した程度のもので、至ってマイルドなのです。
それを受けて「インドネシア人は酸味が苦手」と思っていたのですが、
ホント、一概に言ってしまってはいけませんね、このイワシのラワールは酸味を全面に出しています。

ということで、分量なしですが作り方を紹介します。
これも、焼き茄子のサンバルを作ってくれたTとAのレシピです。

【イワシのラワール】
小イワシ(生)/Ikan Sarden (mentah)
酢(できればロンタルの)/Cuka (cuka tuak)
シャロット/Bawang Merah
クマンギ/Kemangi
唐辛子(チャベ・ラウィット)/Cabai Rawit
塩/Garam

1.イワシの頭を除く
小イワシを真水にとって、頭を取り除く。

小イワシ Kupang_East Nusa Tenggara, 2016

暗い中で光るようなイワシの目。これ、まんま煮干しの顔ですね。

2.酢に漬ける
頭を除いた小イワシをざっとすすいで水気を切り、ひたひたの酢に漬けてしばらくおきます。

小イワシ Kupang_East Nusa Tenggara, 2016

しばらく漬けると、半透明だった身が白くかわってきます。酢〆ですね。
そうしたら、漬けていた酢を一旦捨て、改めてひたひたくらいに酢を注ぎ入れます。

3.味付け
そこに、刻んだ唐辛子、シャロット、クマンギの葉を加えて混ぜ合わせます。
味を見ながら、酸味が尖りすぎていれば塩を足し、全体が馴染むまでちょっと待って、出来上がりです。

イワシのラワール Kupang_East Nusa Tenggara, 2016

使うお酢がロンタルの酢だと、更に美味しいです。

実は、このイワシのラワール、2度作ってもらったんです。
最初は普通のお酢。日本の米酢より更に尖った酸味の、インドネシアの合成酢です。
そして翌日、近所のお家でロンタルのお酢を分けてもらって、再度。
ロンタルのお酢はこちらでも書きましたが、樹液をそのまま発酵させて作ったもの。
角の取れた、丸い酸味なんですね。
なので、ロンタルのお酢で作ったラワールはまるっとした味わいです。
尖った酸味のものも美味しかったんですけどね。
米酢でも美味しいんじゃないかと思います。

イワシのラワール Kupang_East Nusa Tenggara, 2016

これを作り始めたのが、夜の22時頃。
ボウルいっぱいのラワールをちびちび食べながら、ロンタルの液糖を水で割ったものを飲む。
合うんですよ、これが。
なんか、お酒飲みながらアテをちびちび、というのと同じですね。
そんな時間に、水で割ったとはいいながら液糖を飲んでいるというのも、ちょっとアレなんですが。

思い出したら、また食べたくなってきました、イワシのラワール。
小イワシに限らず、新鮮で小振りな魚ならなんでも美味しそうです。
山の街バンドンではなかなか難しい食材ですが。


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