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ナシ・リウェット・ソロ Solo_Central Java, 2017 |
確かに、別物…!
ココナッツ風味のごはんに、裂いた鶏、レバー、玉子、ハヤトウリの煮物、そしてふんわりココナッツミルク。
バナナの葉に乗せられて、1ポーションは小さめ。
ココナッツミルクを使っている割りにくどさはなく、ぺろっといってしまいます。
正確な記述ではないのですが、口承で伝わってる話しでは、
ナシ・リウェットは、かつてソロの貴族がアラブ(もしくはインド)の「ピラフ」を気に入って、
食べたい、食べたい、作りたい、となったのが起源ではないか、とのこと。
どんなに食べたい、と言ったところで、材料のギー(動物性油脂)は当時そう簡単に手に入るものではなく、
代替材料を探し、旨味のあるごはんを…となった結果が、
ココナッツミルクで炊き込んだこのナシ・リウェットとなったのだ、という話しです。
リウェットはごはんを炊く、という意味があるので、
ナシ・リウェット、まるで日本語の「炊き込みご飯」みたいな感じですね。
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ナシ・リウェット・ソロ Solo_Central Java, 2017 |
で、ココナッツミルクでごはんに旨味を出すだけにとどまらず、
おかずとしての鶏の調理であったり、仕上げにとろりとかけるソースであったりまでココナッツミルクを使い、
徐々に、今あるソロのナシ・リウェットになっていったようです。
なるほど。
ではなぜバンドンのナシ・リウェットはココナッツミルクを使わないのか。
そこもまた明確な文書などがあるわけではないのですが、
例えばパームシュガーの原料をみても、
中部ジャワはココナッツなのに対し、西ジャワはアレンという森のパームだったりすることから、
また、西ジャワの他の料理をみてもココナッツミルクはそれほど多用されていないことからも、
おそらくは植生によるものではないかなと思います。
山がちな西ジャワ地方、特にバンドンでは、
そもそもはそんなに沢山のココナッツが育ってなかったのではないかという気がするんですよね。
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ナシ・リウェット・ソロ Solo_Central Java, 2017 |
美味しかったな、ソロのナシ・リウェット。
バンドンのも、ソロのも、いずれもそれぞれに美味しい炊き込みごはんです。