パパイヤの花炒め/Tumis Bunga Pepaya

パパイヤの花 Bandung_West Java, 2016

庭でパパイヤの花を収穫しました。

パパイヤ/Pepayaは、バナナ同様、熱帯地域なら世界どこででも見かける果物ですが、
原産は熱帯アメリカ(メキシコから南アフリカ大陸北部)なのだそうです。
インドネシアでも、どの地方に行っても、庭先もしくは道ばたにパパイヤの木。
乾燥が強く、キャッサバとトウモロコシくらいしか育たないような石灰質の島であっても、
庭の片隅でしっかり実を付けていたりする、頼もしい果樹(時に草に分類されることもあります)です。

そんな、よく育つパパイヤ。
以前、ハワイに行った時に食べたパパイヤがとても美味しくて、その種を庭に撒き収穫したこともあります。
食べて美味しかったら種をとっておいて撒いてみる。なので、うちの庭には何本ものパパイヤの木が。

パパイヤ Bandung_West Java, 2016

ですが、全てのパパイヤの木が結実するわけではないんです。
メス花、もしくは両性花の木であれば、結実しますが、オス花の木は当然ながら花だけ。
そしてそれは、花芽が出るくらいまで育てないと分からないんですね。

ですが、オス花の木にあたったからといって、がっかりすることはありません。
インドネシアでは、パパイヤの花も食材。美味しく食べられます。

オス花のパパイヤ Bandung_West Java, 2016

パパイヤの花炒め、というとインドネシアでは北スラウェシのマナドが有名ですが、
なんのなんの、スンダ(西ジャワ)地方でも売られていますし、わが家でもしょっちゅう作っています。
(マナドは、↓の丸のところです)



パパイヤの「花」と言っていますが、食材として使われるのは「蕾」の状態。開く前が美味しいです。

カツオの薫製や、ジャコのような小魚を一緒に炒める場合が多いパパイヤの花。
苦みのある食材(そこが美味しい)なので、その苦みを中和するために魚の風味を合わせるのかもしれません。
パパイヤの葉や空芯菜、クマンギ(レモンバジル)を一緒に炒める場合もあります。

ただ、今日の我が家には魚とクマンギはなく、そして花だけで十分な量があったので空芯菜なども足さず、
ありものだけの、とってもシンプルな炒め物になりました。
ということで、ご紹介するレシピは「今日の、パパイヤの花炒め」。ゆるい感じです。
別の時にはまた別のレシピだったりしますが、それが家庭料理だということでご了承ください(笑)。
分量も、お好みに応じて調整してください。

[今日の、パパイアの花炒め]
パパイヤの花:茎を除いて350gほど
グアバ/Jambu Batuの葉:3枚
シャロット/Bawang Merah:6個
ニンニク/Bawang Putih:3個
唐辛子(チャベ・クリティン)/Cabai Keriting:2本
炒め油/Minyak Goreng:適量
魚醤/Kecap Ikan:適量
白胡椒/Merica:適量

ニンニク、唐辛子、シャロット Bandung_West Java, 2016

パパイヤの花の苦みに魚の風味がよく合うのはたしかなので、わたしはいつも味付けに魚醤を使います。
インドネシアでも、魚醤はケチャップ・イカン/Kecap Ikanと呼ばれ、使われているのですが、
スーパーマーケットなどで売られているのを見る限り、ほぼタイ製で、
なのでまあ、つまりナンプラーってことでいいと思います。

では、まず下準備からです。

1. 花を茎から外す
茎はもちろん、花房の付け根の部分も食感が悪いのでできるだけ取り除きます。
取り除いたら、流水でよく洗います。
苦さが美味しいパパイヤの花ではありますが、そのままでは美味しいにはほど遠い強烈な苦みなのです。
切り口からしみ出すアク(樹液)をまずはきれいに洗い流すことが、苦み除去の第一段階です。

パパイヤの花とグアバの葉 Bandung_West Java, 2016

2. グアバの葉と一緒に茹でる
そして、下茹でとなるのですが、これも苦み除去(というか軽減ですね)が主目的になります。
うちのメイドさんは、そして市場でパパイヤの花を売っているおばちゃんも、
「グアバの葉と一緒に3回茹でるの」と言います。
グアバの葉には、パパイヤの花の苦みを吸収する効果があるのだとか。ちょっと切れ込みを入れてみたりして。

ちなみに、タマリンドを加えて茹でるというやり方も聞きます。酸味を使って苦みを消すんでしょうね。
ただ、タマリンドの茶色が花の色を悪くしてしまうので、わたしは使っていません。

パパイヤの花(下茹で) Bandung_West Java, 2016

沸騰した湯の中にパパイヤの花を入れると、蕾の中の空気がはじけるプツプツという音がします。
この音、大好きです。

適時お湯を替え(2、3回)、味見をしてみて柔らかく、そして好みの苦みになるまで茹でます。

茹でている間に、シャロットとニンニクは薄切りに、唐辛子は斜め切りにしておきましょう。

パパイヤの花(下茹で後) Bandung_West Java, 2016

茹で上がりです。水気を切っておきます。

3. 炒める
フライパンに炒め油を熱し、シャロットとニンニクを炒めて香りを出します。
いい具合になったら唐辛子を加えてざっと混ぜ、下茹でしたパパイヤの花を加えます。
魚醤も加え(味見して美味しいと思うだけ)、水気を飛ばすよう一気に炒めます。
仕上げに、胡椒をぱらっと。

今日の、パパイヤの花炒め Bandung_West Java, 2016

苦旨い、です。

魚醤は加熱してしまうと魚臭さもそれほど気にならなくなり、旨味といい具合の塩気がでるので重宝します。
魚を加えるときは、唐辛子の後くらいですね。ツナ缶でも美味しいですよ。

パパイヤの花 Bandung_West Java, 2016

ということで、ゆるめレシピ。お試しください。
close
==[ Click here 1X ] [ Close ]==